トップ フローレンスが「特別養子縁組」の支援で大切にしていること

2020年9月14日

フローレンスが「特別養子縁組」の支援で大切にしていること


特別養子縁組を考える時、仲介しているのはフローレンスのような民間のあっせん機関と、行政の児童相談所、2パターンがあります。何が違うの?どう選べばいいの?
はじめはよくわからないかもしれません。そこで今回の記事では研修でもお伝えしている、フローレンスが特別養子縁組の支援で大切にしていること、をお伝えしていきます。



「特別養子縁組」制度って?

特別養子縁組は、子どもが生涯に渡り、安定した家庭で特定の大人の愛情に包まれて育つために作られた公的な制度です。

民法817条に定められた制度で、何らかの事情で生みの親が育てることができない子どもを育ての親に託し、子どもと育ての親は、家庭裁判所の審判によって戸籍上も実の親子となります。



フローレンスが考える、養親希望者に必要な支援とは?

特別養子縁組は、法律上で「児童の最善の利益を最大限に考慮し」と記載されている通り、子どもの幸せのための制度です。そのために育ての親とのマッチングを行う民間あっせん団体には、児童の福祉に関する専門的な知識及び技術に基づいて、生まれた家庭と育つ家庭をマッチングする責任があります。

そのため、生みの親の支援、そして育ての親の研修・実習などの支援、その両方を丁寧に行ってていくことが必要不可欠となります。

 

 

現在フローレンスでは、育ての親として待機登録に至るまでに

①オンライン基礎研修

②ステップアップ研修

③フォーム審査 

④ご夫婦それぞれとの電話ヒアリング

⑤書類審査

⑥夫婦面談

⑥ホームヒアリング

⑦新生児養育実習

⑧保育園での実習

⑨登録前面談

 

と何段階もの研修・審査を通じ、時間をかけて養親希望の夫婦に関わっていきます。

これらを半年~1年ほどの期間かけて行います。「時間をかけすぎでは?」「もっと早く進みたい」と思われる方もいるかもしれません。

 

しかし、それぞれのご夫婦の考えや人となり、そして強みを知る工程は時間を要します。「審査」というと、それを受けるご夫婦は「よく見せなければ」「気に入られなければ」と思ってしまうかもしれませんが、審査を通じてしていることは、表層的なことだけを見たり、ただ言葉通りに受け取って点数をつけることではありません。

特別養子縁組で子どもを迎えるということは、さまざまな可能性を考え、それでも進めたいか夫婦で話し合い考える必要がありますが、一方で、無理があってもいけません

無理をしてお子さんを迎え入れてから「こんなはずではなかった」となっては、子どもはもちろん、ご夫婦も誰も幸せにはならないからです。

そういったことをご夫婦がふたりで気付いていくにも、時間がかかるものです。

研修や面談を通じそういった過程に、支援者が丁寧に関わっていくことで、おのずと信頼関係が築かれていきます。


 

特別養子縁組の支援でいちばん大切なこと 「自分で選択すること」

 

そして、一番大切なことは、生みの親に対する支援を「特別養子縁組ありき」で進めないということだと私達は考えています。

予定外の妊娠に悩むなかで相談者自身が「自分で選択すること」が重要だと考えているからです。

 

子どもをお腹に宿し、出産する過程の中では、様々な葛藤があります。カウンセリングを通して、社会的支援の存在を知ることで、自身で育てることを選択する方もいれば、特別養子縁組を選択して他の家庭に子どもを託す方もいます。

 

妊娠期間中に特別養子縁組で子どもを託すと決めていても、出産後に実際に赤ちゃんを見ると、ご自身で育てたいとう気持ちが強くなる方も少なくはありません。その時は「育てるためにはどうしたらいいか」「育てるとはどういうことか」ということを相談者が納得するまでカウンセリングを重ねます。

 

少しでも迷いがある中で特別養子縁組を進めることは、良い結果に繋がりません。生みの親自身が、心から養子縁組で子どもを託すことが最善の利益だと考えたときのみに、お子さんを育ての親に託します。
 

 


生まれてから、マッチングを行う理由

最終的に生みの親が特別養子縁組で進めたいと出産後に意思確認表示があったときのみ、育ての親ご夫妻へ連絡を入れ、生みの親・お子さんの詳細をお伝えし、委託(赤ちゃんを託すこと)の打診を行います。

 

フローレンスが出産前の仮マッチングは行わない理由は、出産後にしか分からないことが必ずあるからです。出産前、出産後も含め、全ての背景を育ての親が受け入れ、「この子が来てくれて本当に嬉しい」と心から思わない限り、幸せな養子縁組は成立しません。

 

生みの親は自分が育てることができなくても赤ちゃんの幸せを願って託します。

ですから、赤ちゃんは家庭ならどこに行ってもいいわけではありませんし、順番でもありません。

慎重かつ丁寧にその赤ちゃんが幸せになれる家庭はどこか、最善のマッチングを考えていきます。

 

フローレンスは子ども・生みの親・育ての親の三者が幸せになる特別養子縁組支援を第一にしています。

フローレンスが関わる特別養子縁組が、本当に「最善の選択肢が養子縁組かどうか」ということを考えることは、育ての親・生みの親それぞれの幸せを考えることになるのです。

 

育ての親をご希望される方へ、民間あっせん団体を選ぶ際に考えてほしいこと

 

現在国内には、特別養子縁組をあっせん許可がおりている民間団体は20団体程あります。

特別養子縁組あっせん事業の許可を出す等の、法律整備が行われたのが平成30年とごく最近の出来事であり、まだまだ各団体が育ての親希望者へ行う具体的な研修内容や、支援の詳細については統一されたものはありません。(この点については、今後フローレンスからも提言を続けていきたいと思っています。)


 

先にお伝えした通り、特別養子縁組は手軽なものでも、希望の早さで進むものでもありません。

ひとりの子どもの生涯に関わることなので、生みの親も、育ての親も、ひとつひとつ、よく考えて決断していかねばなりません。

そして、特別養子縁組は、委託されて終わりというものでは決してありません。

子どもの人生も、生みの親の人生も、育ての親の人生も、ずっと続くものです。

三者にとって、特別養子縁組という選択が最善だったと、思えるものであってほしいと願っています。

 

数字だけでは見えないことを自分の目で確かめること

 

その上で私達が伝えたいことは、民間あっせん団体を選ぶ際、委託の件数や条件といった目に見える数字だけではなく、その団体が「なにを大切にして支援をしているか」という点を見てほしいということです。

 

みなさんが心から信頼できる団体に出会い、もしお子さんを迎えたら、「ここを通じてあなたと出会ったんだよ」と伝えてあげてほしいと思います。


 

特別養子縁組に対しての考え方に正解はありません。

だからこそ、ご自身の考え方にあった団体を見つけてほしいと、私達は考えています。

そして研修から委託、その後のサポートまで、あっせん団体としての関わりを責任をもってやりとげる団体と一緒に取り組まれることを願っています。